うねうねうねる

普段着キモノ&日本酒ラブな人が綴るアレコレ。九州の端っこよりお送りします。

着物業界でセレクトショップ的な役割を担っているのは?

 

前々から疑問に思っていたことがあります。

 

それは、なんで着物業界にはセレクトショップが無いのだろう?ということ。

 

色々なブランドの商品をお店独自のセンスでセレクトした、セレクトショップ

洋服業界でいうと、ビームスとかユナイテッドアローズとかシップスとか。たくさんあります。1つのブランドに拘らず、コーディネートを提案してくれるお店ですね。

 

翻って、着物屋さんは...?

 

昔ながらの呉服屋さんは、もとはセレクトショップのような役割も担っていたと思うのですが…現在、若い人が気軽に行けるイメージではないです。

一方で、リサイクル・アンティーク着物ショップは、オーナーさんの色が出るのでセレクトショップに近い感覚です。でも、現代着物オンリーのそういうお店は、あまり見当たらない。

そもそも、着物のブランドというのが増えてきたのも最近のことなのかもしれないし、洋服にくらべればブランド自体の数もまだまだ少ないのだと思います。他にも何か利益云々とか、しくみ云々で問題があるのかな?

 

とはいえ、全くそういったお店が無いかというとそうではありません。

以下、見た着物屋さんでセレクトショップに近い?と感じたお店を何軒か上げてみます。

 

先日京都でチラ見した、大塚呉服店さん。

大塚呉服店

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洋服のセレクトショップをそのまま着物版にしたような雰囲気でした。ぱっと見た感じ、なんか洋服屋さんっぽい!という印象。ブランドとしてのコンセプトやデザインなんかを、かなり作り込まれているようなので、そう感じたのかもしれません。デザインにプロが関わっているかどうかって、技術的には分からなくても出来上がりの印象に雲泥の差が出ますから。洋服のオシャレにこだわっている人なんかは、その辺かなり敏感に感じてると思います。

 

 

そして、もう1店舗。最近Facebookの広告でよく見るこちらもセレクトショップに近い印象。Qu'il monu。

公式イメージサイト

WEB SHOP

 実は、先日京都でお邪魔した宮川徳三郎商店の宮川さんがプロデュースしているショップだったのです。実店舗は無く、webのみ。 トランペット奏者の方をモデルに使うなど、こちらもブランドイメージをしっかり作ってるみたいです。

株式会社丸保と宮川徳三郎商店のコラボブランドとのこと。

サイト内の説明によると、

”何でもない普段の生活が、キモノがあることで少しだけ、いつもと違った気分にさせてくれる。少し視点を変え、今までの暮らしにキモノをプラス。自分らしく、ナチュラルに生活を楽しむスタイルをコンセプトを基に立ち上げた、コーディネートブランドです。”

とあります。 

コーディネートブランドって初めて聞きました。着物スタイリストである宮川さんが絡んでいるということで、やはりコーディネートに重きを置いてるのでしょうか。

 

 

それから、オリジナル商品がメインではありますが、イメージ的にKimono Modernさんも近いです。

こちらはもともとWEB SHOPから始まって、今は福岡に実店舗を構えています。1度行ったことがありますが、住宅街のど真ん中にあります。こんなとこまで誰が来るんだ!と思いきや、お客さんは結構います。木綿市やってた時に行ったのですが、反物の状態で色んな産地の木綿がたくさん置いてありました。若い人がきゃっきゃ言いながら反物見て、仕立てをお願いするというこの光景。

 

(※注:私が知っている範囲で載せてます。他に知っている方いましたら、ぜひとも教えてください。)

 

 

上記の店舗はどちらかというと、カジュアル寄りなところです。

もう少し癖のあるセレクトショップがあると面白いと思うのだけど。

ココの需要はないのか…?

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ニッチだけど、あります。

このスキマ需要を埋めているのが、個人作家さんと着物イベントの2つだと思います。

個人作家さんは、もれなくブログやSNSで自分の商品と、ご本人の着物コーディネートを発信されてます。私もよくInstagramでチェックしてますが、それぞれ着こなしに個性があって面白いです。ポップな人、モダンな人、ロックな人、乙女チックな人…。このブランドの着物とあのブランドの帯、そしてオリジナルの小物など、コーディネート次第でいろんな雰囲気があって参考になります。

こういった方達は、たまに着物雑誌にも取り上げられています。私が以前買ったKIMONO姫にも載ってましたし、この間知人から借りたInRed&GLOWの着物特集本にもたくさん載ってました。着物界隈のオシャレな人には作家さんの他、写真家やスタイリスト、イラストレーターなどクリエイティブなお仕事をされてる方が多い印象です。

 

この人のコーディネートはツボだ!と思うと、その人が着ているモノをチェックして「こんなブランドがあるんだ」とか「こんな小物を着物用にアレンジしてるんだ」とか色んな発見があります。作家さん自体が広告塔であり、ショップ店員であり、読者モデルのような親近感もあり…人がブランド化してる感じです。まー皆さん本当にオシャレだし器用だし美しいし、キャラクターは立ってるし。何より楽しんでやってらっしゃる。 着物への愛が半端ない。どうせ買うなら、着物を商材としてしか見ていないスーツの人よりも、そういう着物愛に溢れた人から買いたいと思ってしまうものです。人間心理。というかファン心理。

 

そして、個人作家さんや着物ブランドが集まって行われているイベント。こちらもある程度テイストの似ている人達がやっているので、 自分好みのモノを発見するにはもってこいです。また、そこにお客さんとしてやってくる人も自分と同じ趣味の可能性が高い。そんなこんなで濃密なコミュニティが作られていってるのではなかろうかと。Kimono Rockとか、テイスト的には結構ニッチだけど好きな人にはたまらん世界だなーと。福岡来てくれて嬉しすぎた。

 

好き放題書いてみましたが、作家さんラブ、イベントラブです。

もっと言うと「着物が好きな人」が好きです。なんのこっちゃ。

 

最後に。今日はロックの日(6月9日)ということで、解散してしまったけど好きだったバンドの曲を貼っておきます。もう10年以上前か…。

 


Jet - Are You Gonna Be My Girl - YouTube