しなやかな着姿に憧れる-寸胴以外の着姿は悪?
岡山で夢二郷土美術館に行ってきました。
竹久夢二が描く着物美女、素敵です。
体のラインが柔らかくて、何とも言えない女性っぽさがあります。
儚さと色気としなやかさと。
その着姿は決してビシッとしてはいません。どちらかと言うと、ユルユル、ズルズルな感じです。今のように補正を入れまくって寸胴にしているわけではなく、ウエストもくびれています。
そもそもガチガチの寸胴体型を作るようになったのって戦後の話だとか。昔の写真など見ると、結構ぐちゃぐちゃなまま着物着てます。
おはしょりとか帯とか、テキトーな感じ。
現在では、衿、おはしょり、裾線、帯などピシッとキマってるのが良い着姿だとされてます。確かに見た目は綺麗なんです。シワも少なくて。
でも、この見た目を作るために、せっせと補正のタオル詰めたりしてると、
あぁ 脱いだ時に色気ないな…
なんて考えが頭をよぎります。
綺麗に見せようと思うと、腰周りだけでなく、鎖骨の辺りも補正入れたり。今はカッチリした着付けを習ってるので、特にそういう寸胴体型とか見た目の美しさを作るように着付けてます。ガチガチにやればやるほど、「はて、そもそも美しいの基準ってなんだっけ?」みたいな矛盾も感じてます。
フォーマルな場とか、他人に着せる時はカッチリした着姿を作るのも良いと思います。でも普段着で着る分には別の美しさの基準があっても良いような。
隙のない着姿でなければ、っていうのは初心者にとっては無駄に緊張します。まだ綺麗に着れないから、着物を着て出歩けないってのもどうなんだろう。皆がみんなカッチリした着姿を目指す必要はないのかも。
似たようなことを思ってる人も居るようです。
その辺のところ、掘り下げてみたい。
色っぽいキモノ。
と言いつつも、浴衣のすそがふくらはぎの位置でおはしょりが20cm位になってる浴衣女子を見て、ギョッとしてしまいました。きっとデートのために頑張って着たんだろう…。
ちょっと着物をかじると人の着姿がいろいろ目につくようになります。が、着物(浴衣)を着ようという気持ちだけで素晴らしい!という寛容な心で見守りたいと思います。
他人には他人の感覚があって、自分は自分の着姿を追求していけばいい話。
にしてもこの時期になると、かなりハジけた着姿の人が居てドギマギしてしまいます。
ちょっと大丈夫かな?!と心配になるような人がわんさかですが、「浴衣」がそんな状況を許容してくれる存在になっているのは楽しいです。
ちょっとくらいぐちゃぐちゃでも着てしまえ!
着ればわかることがたくさん!!