続・「きものの日」に思うこと
またサボってましたよ。ブログ。
言い訳はさておき、ぼちぼち書いていきます。
本題。
11/15って、きものの日...でしたよね。
なんか前に書いてた、たしか。
↓
で読み返してみると、11/15日自体は(着物?)業界団体が決めたものだそうで、政府がうんぬんする日がこの日になると決まったわけではなかったのですね。
記事のニュースリンクが切れてたのでこちらに貼り直しました。(ヤフーニュースはリンク切れるの早いんですねー)
またリンク切れるとあれなんで、本文載せときます。(←リンクの意味...!)
経済産業省が、職員に和装出勤を促す「きものの日」の導入を検討していることが24日分かった。国内和装産業の振興を図るため、スーツの代わりに着物で出勤できる雰囲気をつくるのが狙い。和装文化を学ぶセミナーや、イベントも開催し、着物を日常生活に取り込むことを目指す。 6月にまとめる有識者研究会の提言を踏まえ、経産省は早ければ来年度から実施する方針だ。
きものの日に指定する時期は検討中だが、夏場や11月、年末年始などが候補に挙がっている。 江戸時代の日常着だった「小袖」が、高温多湿の日本で発展した歴史を踏まえ、7~8月の夏場に開催する案では、浴衣での出勤も認める。打ち水イベントなども実施し「省エネで夏を涼しく過ごす装い」として着物をアピールする。
また、業界団体が「きものの日」に設定した11月15日や、仕事始め・仕事納めに着用する案もある。
着物の出荷額は昭和50年代のピーク時に1兆8千億円規模に上ったが、現在は3010億円(平成25年)と6分の1に落ち込んだ。消費者の「着物離れ」が進み、事業者が高額商品に軸足を移したことで、着物は「特別な日に着るもの」として日常生活から遠ざかった実情がある。 経産省幹部は「着物をもう一度、日常着にするのが最終的な目標だ。手始めに外務省や文部科学省など他省庁にも働きかけ、着物で出勤できる日を広めていきたい」と意気込んでいる。
で、スーツの代わりに着物?ってとこで引っかかって、職員さんのフォーマルな着物の調達どうすんの?着付けどうすんの?って疑問が浮かんで、着物嫌いになる人が出て来なければいいなーと心配になったわけです。
そのあたりの事を書いてる記事もありました。この記事中の解説の人、普段着物着る人らしく、同じような懸念を抱いてます。
ちょっと長めですが、引用しておきます。
実は、著者もプライベートの外出は洋服よりも着物のほうが多いという着物好きのひとり。しかし、会社の人事労務管理をサポートする社会保険労務士という立場からは、この試みには諸手を挙げて賛成はできません。
(略)
着物も洋服同様、フォーマルなものから、カジュアルなものまで種類はさまざま。また、着方によって雰囲気もがらりと変わります。
着物姿が非日常的な今、オフィスにおける着物のドレスコードをイメージできる人は少ないでしょう。なんの縛りもなく、オフィスでの着物を解禁したら、個性あふれる振り袖姿が話題をさらう最近の成人式さながら、職場で着物をめぐるひと悶着が起きそうです。
(略)もう一つ、懸念されるのが、お金をめぐるトラブルです。たとえ、会社が任意で着物での出勤を促したとしても、中には、「事実上の強制」ととらえる人もいるでしょう。着物を自分で着られる人は、非常に少ないのが実情です。
「着物出勤日を作るなら、着付け手当を出して欲しい」――労働者からこんな要求が出てくることも、容易に想像がつきます。
7月31日、東京・渋谷の商業施設が企画した夏祭りに合わせて、渋谷に本社がある東急電鉄など約20社が、「浴衣で出勤」イベントを行いましたが、会社内に着付け部屋を設置、着付け師を手配するなど、万全の体制を整えています。
要は、会社がコストをかけないと、着物出勤者は増えないということです。
「給料も上がらないのに、着物なんて買えるわけない!」
場合によっては、着物出勤をきっかけに給料面の不満に飛び火することだって、十分、ありえます。
「コスト削減で必死なのに、きもので出勤なんて、経産省はお気楽なことを考えるもんだ。もっとやることがあるだろう」――零細・中小企業の社長からこんな怒りの声を買いそうです。
着物で会社に出勤するきものの日の制定で着物を日常着に復活させようというのが経産省の狙いです。
経産省の旗振りで着物出勤を推進するのであれば、量販店に並ぶスーツの価格帯でオフィスにおける着物のドレスコードの模範となるような“ビジネス着物”の提案ぐらいは、あってしかるべきでしょう。
自由な服装での出勤を認めるカジュアルデーを設定している会社も数多くあります。カジュアルデーに着物で出勤を地道に推進したほうが、よほど着物が日常着に近づくのではないでしょうか。
おー!まさに私が感じた不安そのもの!過去記事にも書いたように、ビジネスに適した着物作るとかそういうのが必要なんじゃ?ってことですね。
スーツの代わりに着物 → 着物を日常着に
って言う流れが頭の中で上手く繋がらなかった。
んで、政府の「きものの日」は来年度から実施予定ということですが、今年のきものの日にはなんか動きあったの?と思っていたところ、あったようです。なぜ1日ズレた16日に...と思ったら15日は日曜でした。
※見事にリンク切れ...
業界活性化へ経産省「きものの日」和装勤務| ytv 読売テレビ ニュース&ウェザー
情報少な過ぎてよく分からないですが、30人ほどの方が着物着て仕事されてたみたいです。
さらにこんな情報も↓
経産省の職員が、きものを着て仕事していることについて、わたしから見るとこんな感じでしたよ。楽しんでこそきものです。だって洋服のとなりにあるファッションのひとつだもの。 pic.twitter.com/z8zVydJ8yW
— きくちいま (@imappage) 2015年11月16日
きくちいまさんの、このイラストを見る限り、職員の方々はそれなりに楽しんで着ているように見えます。なんだかほっとしました。
私が感じた政府のきものの日に対する不満と不安は、着物を強制される事で嫌いにならないで欲しい、という気持ちからです。着物が好きだからこそ、関わり方や伝え方一つで印象悪くなってしまうのは勿体ない!と思ってしまうのです。
ついでに、政府のきものの日のニュースの元になった(?)経産省のページも見つけたので、ご参考までに。
↑色んな項目ある中の、和装振興研究会という項目です。5回ほどの会議の末、提言としてまとめられた中の一つに、「きものの日」があったようです。
一連の活動がまとめられた報告書はこちら。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/wasou_shinkou/pdf/report01_01_00.pdf
内容をチラッと。和装振興研究会の提言は以下の4つです。PDFの最後の章に書いてます。
提言1 潜在市場開拓のための新たなビジネスモデル構築を促進すべきではないか(1)潜在市場開拓のための商品の提案の推進(2)新しいビジネスモデル推進のための情報共有提言2 きものを着るシーンを増やすべきではないか(1) きものを活用した地域振興の推進
ニュースになった「きものの日」は4つの提言のうち、提言2の中の単なる1項目。ニュースにしやすいとこをピックアップしたのでしょうね。いち視聴者としては、メディアに出てるその部分だけを見て、突拍子もないこと言い出したなとか思ってしまったわけですが、前段階の議論うんぬん含めて結構色々考えられてたんだなぁと思った次第です。
てなわけで、報告書のPDF興味ある方は読んでみると面白いかもしれません。
最後にきくちいまさんのtweetをもう一つ。
賛否両論いろいろあるのはわかってます。でも何もやらなきゃ何も始まらない。あちこちできものを楽しんでほしいっていうそれだけです。今日はこれまでのきもの業界を作ってきた重鎮の前で生意気なこと言ってきました。防弾チョッキ着なきゃかな。
— きくちいま (@imappage) 2015年11月16日
私も否の立場に寄っていましたが、「何もやらなきゃ何も始まらない」ってのは確かに。やりながら軌道修正していかなきゃ、何事も進んでいかないですね。
てことで、私も楽しげな情報をキャッチしつつ、
引き続き着物をマイペースに楽しんで行きたいと思います。